ベトナム拠点とのSD-WAN構築でVeloCloudがもたらしたもの

Home » IT・インターネット » ベトナム拠点とのSD-WAN構築でVeloCloudがもたらしたもの
IT・インターネット, ネットワーク コメントはまだありません



「クラウド=ネットワーク」な時代の企業内WANの姿とは?

2017年02月09日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

2月8日、クラウド型のSD-WANソリューションを展開するVeloCloud Networksは、ネットワンシステムズと共同発表会を開催した。発表会では、国際専用線からブロードバンド回線を束ねたSD-WANに移行した三谷産業の導入事例が披露された。

物理リンクを意識しないオーバーレイなWANを実現する

 2012年に創業されたVeloCloudはクラウド型のSD-WANを展開するスタートアップで、グローバルの顧客はAT&Tやスプリントなど600を超える。米VeloCloud 共同創業者CEOのサンジェイ・アパル氏は「創業から短い間に、すでに5万以上のサイトに展開している」と実績をアピールする。

米VeloCloud 共同創業者兼CEOのサンジェイ・アパル氏

 こうしたSD-WANに注目が集まる背景としては、当然ながらクラウドの台頭がある。アパル氏は、「クラウドがデータセンターになり、アプリケーションになり、ストレージになり、第4のフェーズでネットワークがクラウド化される。ネットワークはサブスクリプションベースのサービスとして消費される」とアパル氏は語る。ハコを買い増す必要なく、ネットワークを「Unbox化」するというのが同社の方向性だ。

 「複雑」「高コスト」「低速」だった従来の企業WANは、トランスポート層の技術に大きく依存してきた。しかし、クラウドの台頭で、こうしたトラディショナルな企業WANは大きな変革を余儀なくされるという。「トランスポートをベースにしたハブ&スポークのWANは今後は機能しなくなる。SD-WANの世界ではMPLSであろうが、LTEであろうが、インターネットであろうが、トランスポート層は関係なくなる」(アパル氏)。

 VeloCloudが提供するのは、複数のWANリンクを透過的に利用できるオーバーレイネットワークだ。拠点やデータセンターにVeloCloudのエッジデバイスを設置することで、物理的なWANリンクはユーザーが意識しない形でシームレスに束ねられる。また、クラウド側にあるVeloCloudのゲートウェイがクラウドサービスのセキュリティや効率的な利用を可能にし、全体をオーケストレーターで可視化できる。アパル氏は、「ハブ側にあった複数のトランスポートをエッジデバイスでまとめてしまう。一方、スポークはクラウドに移行した」と表現する。これにより、従来のWANに比べ、迅速な設置や低コスト、高速化などが実現するという。

複数のWANリンクをオーバーレイ化し、クラウドに最適化するVeloCloudのSD-WAN

 SD-WANの製品・サービスは花盛りだが、この中でVeloCloudの差別化ポイントとしては、クラウド基盤でサービスを提供していること、音声・ビデオ、VDI、IoTなどリアルタイムアプリケーションをサポートしていること、さらにはサービスプロバイダーのためのマルチテナントに対応していることなどが挙げられるという。

ブロードバンド回線でSD-WANを構築した三谷産業の事例

 こうしたVeloCloudを用いた「ネットワンCloud SD-WANサービス」を2015年10月から展開してきたのは、ネットワークインテグレーションからクラウドインテグレーションに事業展開を広げているネットワンシステムズだ。

 アパル氏に続いて登壇したネットワンシステムズの篠浦文彦氏は、「これまでお客様のプライベートのネットワークを構築してきたが、クラウドの導入が増える中、これまでのネットワーク環境は果たして最適なのだろうか?という疑問があった」と語る。こうした中、効率的なネットワークの利用、コスト削減の実現などに向け、SD-WANサービスをVeloCloudとともに提供してきたという。

ネットワンシステムズ 執行役員 チーフマーケティングオフィサー ビジネス本部長の篠浦文彦氏

 現在取り組んでいるのは、海外拠点への展開で、障害対応やソフトウェアアップデートをサポートする体制を構築しているという。今回、ITサービスプロバイダーの三谷産業がネットワンCloud SD-WANサービスを導入し、ベトナム拠点との間にVeloCloudベースのSD-WANを構築したことが発表された。

 情報システム関連をはじめ、化学品や樹脂エレクトロニクス関係の事業を手がける三谷産業は、石川県金沢市に本拠を持つITサービスプロバイダー。長年、1700名規模を抱えるベトナム拠点とのコラボレーションを強めてきたが、やりとりしているデータ量が大きくなるとともに、WANに負荷がかかってきたという。また、品質を求められるビデオ会議を実現するため、国際専用線を利用してきたこともあり、コストの削減が必要になった。

ベトナム拠点とのSD-WANを構築した三谷産業のネットワーク構成

 2016年10月、三谷産業は国際専用線を冗長化されたブロード回線にリプレースし、VeloCloudのデバイスでSD-WANを構築した。今まで国際専用線は回線あたり月額約25万円近くかかっていたが、ブロードバンド回線の導入により、回線あたり約1万円/月に下げることができた。VeloCloudはこれらのブロードバンド回線を冗長化するのに使われており、ビデオ会議でも十分な品質を得られているとのこと。また、導入や設定も日本から遠隔で行なえため、エンジニアの派遣なく、簡単に切り替えられたというのもメリット。現在はビデオ会議だけだが、今後はCADのデータ送受信でも利用していく予定となっている。

■関連サイト



カテゴリートップへ







コメントを残す