Googleのアドブロックに関する「陰謀説」の読み解き方 – DIGIDAY[日本版]

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世間は、GoogleがChromeブラウザにアドブロックを実装するというウワサでもちきりだ。Web環境整備への期待から、ライバルたちでさえGoogleを支持している一方で、その隠された動機についてもささやかれている。忘れてはいけないのは、Googleが我々からさらに搾取しようとしている場合も、大いに考えられることだ。以下で詳しく、説明しよう。

Googleは広告事業を強固なものにしようとしている。もっともわかりやすい見方は、Googleのアドブロックの動きの目的は、最終的に同社の広告事業へもっと資金を呼び込むことにあり、それを(アドブロックのない)テキスト形式の検索連動型広告によって、主に担おうとしているというものだ。

「彼らにとって、ここでの長期的な策略は、検索とアドワーズ(AdWords)にもっと金を呼び込むことにある。彼らはWebの世界で良き一市民でありたいと願っているというのが、私の理解だ。しかし、結局のところ、彼らは株式を公開している企業だ。表示できる広告の種類を減らす場合、ブロックする広告の種類は、彼らがもともと扱う予定がないものであるということだ」と、検索連動型広告でGoogleと競合しているイェールドボット(Yieldbot)のCEO、ジョナサン・メンデス氏はいう。

Googleは人気のあるアドブロックソフト、アドブロックプラス(AdblockPlus)の有料サービスをすでに利用。アドブロックプラスの「Acceptable Ads(控えめな広告)」プログラムへGoogleのサイトをホワイトリストに追加している。もうひとつの見方は、Googleは遅かれ早かれアドブロックプラスが行っているように、ブロックされた広告を許可するための課金サービス、または広告承認プロセスを迅速化するために、有料プレミアムサービスを用意するのではないかというものだ。

動画広告競争を一掃する。関連して、Googleは動画広告競争を一掃しようとしているという別の見方もある。WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)によると、ブロックされる広告フォーマットは、(Googleがサポートしている)「Coalition for Better Ads(良い広告のための連合)」によって特定されるものになるという。アドブロックを誘引する可能性がもっとも高い、音声つきの自動再生動画広告だ。パブリッシャーや広告主は、ほかの動画広告が最終的にブロックされることを懸念して、Googleが所有するYouTubeプレーヤーと広告に集まることになるだろうと、批評家たちは考えている。それらについては、Googleがブロックする心配はないからだ。

それは偽旗作戦だ。この施策でGoogleは、巨大な広告ビジネスを手に入れるかもしれない。だが、Googleを頼りにコンテンツを配信したり、そのコンテンツにアクセスしたりするパブリッシャーやユーザーに、Google自身をアピールすることにも役立つ。Googleは、気に入らない広告フォーマットを、検索結果で優先順位を下げ、もしくは最初から取引をしないことでビジネスの邪魔をできるが、今回のやり方なら合わせて自らを優良企業だと喧伝することも可能だ。また、それは現状を維持することにもなる。

ここでの隠された動機とは、Googleが大手代理店やアドテク企業とともに支配している「Coalition for Better Ads(良い広告のための連合)」を介して、自身の優位性を維持することにあると、ニュースクール大学でアドテクを専門にするデビッド・キャロル氏は述べる。 また、プライバシーや不正問題、つまり消費者や広告主が抱くシステムインテグリティについての懸念を回避することでも、Googleを助けることになる。

同ブラウザに追従する。ネットマーケットシェア(Net Market Share)によれば、Chromeはブラウザ市場で60%近くを占め、すでに地位を確立しており、その後を大きく引き離されながらシェア19%のInternet Explorerが追いかける。Googleはその状況維持を望んでいるのだ。迷惑な広告フォーマットを排除することでChrome上で質の良い経験をユーザーを提供する助けとなり、彼らがChromeを使い続けるようになる。「このブラウザがWeb世界の聖杯であるということだ」と、メンデス氏は述べる。

コンテンツレコメンドエンジンを取り込む。Googleが質の悪い広告をブロックすることから生まれる別の結果は、無意識的、意識的を問わず、アウトブレイン(Outbrain)やタブーラ(Taboola)などのコンテンツレコメンドエンジンに資金が行き渡ることにひと役かっている、いかがわしいWebサイトの収益をカットすることかもしれないと、あるものはいう(また、多くのパブリッシャーたちにとってもそれは大きな収益源となっている)。

そして、Googleがコンテンツレコメンドビジネスを取り込もうとしていることも忘れてはならない。さらには、アウトブレインとタブーラは、結局のところパブリッシャーサイトのプロパティを消費しているだけであり、彼らがしなければ、それらはアドセンス(AdSense)やGoogleのアドネットワーク(Ad Network)に持っていかれることになるかもしれない。

AMPを優位に立たせる。モバイル記事の読み込み時間を短縮する大きな取り組みである、AMP(アンプ:Accelerated Mobile Pages)をGoogleは昨年ローンチした。パブリッシャーたちはそれによってもたらされたスピード面での恩恵について非常に好意的である一方で、AMPページの収益化への取り組みでは成功と失敗が入り混じった結果となっている。

AMPページ読み込みの高速化は、魅力に欠ける広告を排除することで可能になっている。Chromeのアドブロッカーも同様の取り組みにいくつか取り掛かるだろうから、ChromeとAMPの開発段階での違いが小さくなるだろう。考えられる結果としては、AMPに抵抗があるパブリッシャーたちが、AMP向けの開発にのりだすという決定を下すことが考えられる。それはGoogleにとって好都合なことである。なぜなら、さらに多くの広告を表示できれば、より多くの収益をGoogleにもたらすからだ。

Lucia Moses(原文 / 訳:Conyac
Image from 米DIGIDAY

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