デジタル・リアルティが日本進出、第一大阪データセンターを公開

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大手クラウド事業者のニーズですでに“完売”、次期データセンターも2019年開設へ

2017年05月19日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

 データセンター施設の開発/運用に特化したREIT(不動産投資信託)である米デジタル・リアルティ・トラスト(Digital Realty Trust)が5月17日、「第一大阪データセンター」を大阪府北摂地域に開設し、報道陣に公開した。日本で最初の同社データセンター施設となるが、すでに複数の大手クラウドプロバイダーと契約済みで“完売”状態。さらに大型の施設となる2棟目を建設するために、隣接用地を取得したことも発表している。

 今回アスキー編集部では、現地で行われた発表会に出席するとともに、終了後、同社CEOインタビューを行った。CEOのA.ウィリアム・スタイン氏は、世界30都市に145以上のデータセンター施設を保有するデジタル・リアルティの強みを説明し、日本市場への期待や今後の展開を語った。


「第一大阪データセンター」で開催された発表会で語る、米デジタル・リアルティ・トラスト CEOのA.ウィリアム・スタイン(A. Willam Stein)氏

今回開設したデジタル・リアルティ 第一大阪データセンター(右)と、今後建設予定の第二大阪データセンター(左)の完成予想模型

IBM、AT&T、ベライゾン、オラクルなどのグローバルクラウドサービスを支援

 デジタル・リアルティは、世界の主要都市でデータセンター施設の投資/開発/所有/運用を行い、顧客への賃貸/コロケーションサービスなどを通じて得られた収益を投資機関/投資家に還元するREITだ。


デジタル・リアルティ・トラストの概要。グローバルでデータセンター不動産投資と運用、コロケーションサービスを行う

 現在は北米、欧州/中近東、アジア太平洋地域の30以上の都市で、145のデータセンター施設を保有しており、2300万平方フィート(約214万平方メートル)のデータセンタースペースを提供できるキャパシティを持つという。資本時価総額は180億ドル(約2兆円)、企業価値は250億ドル(約2兆9000億円)とされており、米国最大の上場REITとして、S&P500指数銘柄にも指定されている。


アジア太平洋地域では、シンガポールとオーストラリア、香港、そして今回の日本(大阪)にデータセンター施設を持つ

 こうした独特の立ち位置であるため、世界中のコロケーションサービス事業者やクラウドサービスプロバイダーは、デジタル・リアルティにとって「競合」であり、同時に「顧客」でもあるという。たとえば「エクイニクス(Equinix)は競合でもあるが、当社の最大手顧客5社のうちの1社でもある」と、CEOのスタイン氏は説明する。

 「当社の最大手顧客はIBMで、デジタル・リアルティはグローバル市場における『IBM Cloud』の成長を支えてきた。ほかにはAT&T、ベライゾン、オラクルなども大手の顧客だ。パブリッククラウドのトップ20企業は、(何らかの形で)われわれがサポートしている」(スタイン氏)

 コロケーションサービスにおいては、ラック単位だけでなく、ケージ単位やプライベートスイート(1ホール占有型)単位といった大規模/超大規模(ハイパースケール)のニーズにまで幅広く応える。そのため、金融や製造、エネルギー、ライフサイエンスといったエンタープライズだけでなく、上述したような大手クラウドプロバイダー、マネージドサービスプロバイダーなども、同社の顧客になるわけだ。

 デジタル・リアルティ 国際担当SVPのクリストファー・ケニー(Christopher Kenney)氏は、グローバル展開している大手クラウドプロバイダーの多くが、デジタル・リアルティの支援を受けてクラウドサービスを提供していると語った。

 「デジタル・リアルティがビジネスを成長させてきた理由のひとつは、北米、欧州/中近東、アジア太平洋を広くカバーする『グローバルリーチ』だ。グローバルで標準化された(均一な設計の)サービスを提供しているため、顧客も他地域へ展開しやすい」(ケニー氏)


デジタル・リアルティ 国際担当SVPのクリストファー・ケニー(Christopher Kenney)氏

北摂地区の「彩都」に立地、合計で7.6メガワットのITワークロードに対応

 今回同社が開設した第一大阪データセンター(Digital Osaka 1)は、茨木市と箕面市をまたぐ「彩都(さいと、国際文化公園都市)」エリアに位置する。大阪のビジネス中心街(梅田や新大阪)からは、直線距離で20キロ圏内(新大阪駅から自動車で約20分)となる。立地は海抜200メートルの高台で、洪水ハザードエリアからは遠く離れている。


デジタル・リアルティ「第一大阪データセンター」(CGによるイメージ)

 第一大阪データセンターは耐震構造の3階建てで、建物面積はおよそ8600平方メートル。全体で7.6MW(メガワット)のITワークロードに対応し、電力供給や空調はすべて冗長化されている。

 この第一大阪データセンターには、3つの「データスイート」と1つの「コロケーションデータホール」が備わる。データスイートは顧客1社で占有できる広さおよそ950平方メートルのデータセンター用ホール(POD)で、1ホールあたり最大でおよそ300ラック、2.4MWのITワークロードを収容できる。PUEは1.3。一方、小規模な需要向けのコロケーションデータホールでは、合計で0.4MW(400kW)のITワークロードを収容する計画。


顧客ラックの搬入を待つデータスイート。高密度データセンター向けの設計で、1ラックあたり最大8kWの電源を供給し、耐荷重は2トン。電源は青とオレンジの2系統が用意されていた

 同社によると、この3つのデータスイートはすでに2社の大手クラウドプロバイダーが契約済みであり、第一大阪データセンターは事実上“完売”となっている。この顧客からのさらなる拡張の要望や、その他の顧客の関心もあり、デジタル・リアルティでは先月、隣接するおよそ1万8000平方メートルの土地を「第二大阪データセンター」(Digital Osaka 2)建設用地として取得した。

 第二大阪データセンターでは、第一大阪データセンターの約3.5倍となる27MWのITワークロードに対応する計画。3フロア構成で、現時点では1フロアに5つずつデータホールを設ける予定だという。加えて、900ミリ幅のような大型ラックにも対応し、ラックあたりの供給電力もさらに強化する。サービス開始予定は2019年第3四半期としている。

 第一/第二大阪データセンターの概要を説明した日本法人 バイスプレジデントの太田康文氏は、「KIX10とKIX11の開設で“データキャンパス”化を目指す」と語った。




第一大阪データセンター内には休憩室や会議室も用意されている。窓からの景色は見晴らしがよく、ここが高台であることがわかる



監視センターと屋上の空調室外機



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