新しい顧客管理システムにkintoneを選択したリノベる その理由とは

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柳谷智宣のkintoneマスターへの道
第7回

kintoneマスターを目指すべくkintone hive東京に初参加!

2017年06月15日 11時00分更新

文● 柳谷智宣

サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。前回に引き続き、第7回では特別編として、筆者が参加してきたkintoneのユーザーイベント「kintone hive」の前半の模様をお届けする。

「マーケティング視点での顧客管理システム導入」リノべる/渡会雄一さん

 2017年5月19日、六本木アカデミーヒルズで開催されたユーザーイベント「kintone hive tokyo」。事例ユーザーの2番目はリノべるのCMO、渡会雄一さん。事例タイトルは「マーケティング視点での顧客管理システム導入」だ。

 リノべるは8期目の会社で、従業員は連結で203名。データベースの構築を始めたのが100名くらいの時で、結構ギリギリのタイミングで取りかかったようだ。全国21店舗に展開するが、そのうちFCが11店舗なので外部のパートナーとの接点があるのが特徴。中古マンションとリノベーションをワンストップで提供しており、O2Oのプラットフォーマーという位置付けだ。

リノべる株式会社のCMO、渡会雄一さん

 渡会さんがリノべるにジョインしたのは3年前で、その時に受けたミッションはマーケティング部の内製化と組織全体をマーケティング発想にするという2つ。データの扱いがキーになることはわかっていたそうで、自社での開発も選択肢にはあった。

 リノべるのサービスフローは、ウェブの訪問から約6ヵ月のリードタイムを持っている。その間に、さまざまなマーケティングに活用できるようなデータが上がってくる。たとえば、来場予約の際は必ず電話でヒアリングを入れる。営業の効率を上げるためだが、とてもコアな情報が出るそう。しかし、KPIがアポイントを取ることなので、ここでのデータがしっかりテキストで残っていなかったのだ。

 また、渡会さんが社内業務の洗い出しをして気がついたのは、情報があちこちに横断していること。しかもフェーズごとに異なるシステムを使って管理をしていたのだ。そのため、営業受注のデータと経理に行く件数がまったく合わないという事態も起きていた。これは、夫婦の顧客を相手にする際、営業は夫の名前で受注するが、図面の設計に入ると奥さんが中心になるので、顧客データが奥さんの名前になってしまうため。メールアドレスも携帯番号もそれぞれ持っているので、紐付けるのも名寄せが難しかったのだ。

業務を洗い出したら、笑いが出るほど複雑な表になった

 そんな問題点を抱え、顧客管理システムを刷新するにあたり4つの条件を設定した。部門間で情報を共有するために、情報を一気通貫で管理する必要がある。そして、FCが多いので外部パートナーと一緒に使える柔軟な管理権限機能を使いたかった。エンジニアがいないので、非エンジニアでも作れることも大事。そして、蓄積した情報をマーケティングに活かすという目的があるので、外部サービスと連携できることも条件とした。そして見つけたのがkintoneだった。

 自社開発かkintoneか、という決断を左右したのが導入スピード。自社開発だと完成まで7ヵ月かかるが、その頃には業務プロセスが変わることもあり得る。そこで、すぐに使い始められるkintoneを選んだのだ。

 システムを構築するに当たり工夫したのは、入力用と分析用のアプリを分けたこと。分析用のアプリは項目が多いので、こちらに入力させると入力漏れが起きたり、変更してはいけないところを変更してしまうということが起きる。さらに、マーケティング施策をする際に、閲覧・分析アプリは変更することが多く、UIが変わると入力する人たちに嫌がられてしまうということもある。

 さらに、全員に触れてもらうために、どうしても避けられない業務をkintone組み込んだ。工事の請負契約書をkintoneからしか出せない状況にしたのだ。それだけだとスタッフから不満が出そうだが、ワンクリックで契約書を手軽に作れると周知したりして対応したとのこと。営業まではそれで対応できたが、設計はさらにリテラシーが低くエクセルから脱却できなかったので、エクセルライクなアプリを入れることで受け入れてもらったという。

 従来、顧客情報とマーケティングはGoogleスプレッドシート、営業は既存CRM、設計はエクセルで管理していた状況から、kintone1本になるというのは本当に革命的なこと。同じ情報を5回くらい入力するという非効率かつミスの原因がなくなったのだ。また、経営会議で課題が出た時に、正確な数字が出るまでに2週間かかったりしていたのが、現在ではリアルタイムで見られる。課題が出た会議で意志決定まで持って行けるので、PDCAを速く回せるようになったそうだ。

 もうひとつ、kintoneで大きな効果を得られたのが、外部との連携の効率化だ。リノべるのネットワークに参加している不動産会社から流通に乗っていない非公開物件を登録してもらい、営業が商談で得た情報を入れて、マッチングさせるということが可能になった。レコメンドができた物件を自動でメールで配信するので、従来は手作業で行なっていた業務から開放されたのだ。

 現在では、従業員のPCではkintoneがタブで開きっぱなしになっているという。渡会さんがプロジェクトをスタートしてからここまで2年。なかなかのスピード感だと思うが、次は会計データにどう紐付けようかな、と考えているところだそうで恐れ入る。

契約書の作成や会議で見るデータにkintoneを使うようにしたので、全員がkintoneに入力するようになった

次は、kintoneと会計データをどう紐付けようか、と語る渡会さん

持ち時間は5分間! 3社のライトニングトーク「kintoneハック」

 前半、2社の事例発表が終わったら「kintoneハック」がスタート。kintoneのアプリをカスタマイズしてくれる開発会社による5分間のライトニングトークだ。前半の「kintoneハック」に登場したのは3社で、トップバッターはM-SOLUTIONS。ソフトバンクテクノロジーの100%子会社で、前回、事例発表の1人目だったジーベックテクノロジーの本堂円さんが「素人流業務改善全社プロジェクト」の中で依頼した開発会社だ。

 登壇者は取締役CSOの植草学さん。ものすごい大きい声でものすごい速いペースで話し、会場をぐっとつかむ。ジーベックテクノロジーでカスタマイズした検索プライグインの事例などを紹介した。2つめは、「ミラクル・リナックス」の事例。エクセルはファイルが壊れるので契約管理をkintoneに移行したそうだ。その際、アクションをしたのにルックアップのボタンを押すのが面倒なので、自動取得するような地味に便利なプラグインを作成したという。最後は自社の事例。問い合わせからセミナー申し込み・管理、自社のサービスの管理、パートナーとのコミュニケーションなどを行なっているとのこと。

 5分でスライドは60枚と猛スピードのめくりだが、ぴったり終わらせるという神業を披露。また、「hiveで配布」ということで、kintoneの検索拡張プラグインを無料でダウンロードしてくれたので会場は大いに盛り上がった。

2社の事例紹介のあとは「kintoneハック」がスタート

M-SOLUTIONSの取締役CSO植草学さんが登壇

ジーベックテクノロジーをはじめ事例を次々と紹介していく

「hiveで配布」と、プラグインの無料ダウンロードが紹介された

 2番手は、ジョイゾーの山下竜さん。「kintoneで実践するちょっと近未来なインターフェース」ということで、事例ではなく、山下さんが開発しているインターフェースを紹介してくれた。kintoneで店舗や顧客などの場所を管理することは多いが、このインターフェースを空間に広げる試みにチャレンジしているという。スマホをかざすと、kintoneの位置情報がカメラの映像に重なって表示されるのだ。スライドを見る限り、2009年に登場し、一世を風靡した「セカイカメラ」のようなインターフェースだった。

 カメラをかざすと風景にタグが表示されることで、店舗や施設を管理したり、営業マンのルート設定に活用したりできるという。実際に、デモをしてくれるはずだったのだが、残念ながらシステムにトラブルが起きてしまいスマホの画面は見られなかった。しかし、PCで実際に動いているところを表示し、データをリアルタイムで登録する様子をデモしてくれた。

ジョイゾーの山下竜さん

いろいろなインプット・アウトプットの試みを行ってきた

kintoneのデータをカメラの映像に重ねて表示できる

スマホはトラブルが起きたので、PCでデモを行なう。登録したデータが映像に重ねて表示された

 3番手は、同じくジョイゾーの代表取締役社長、四宮靖隆さん。お題は「hackで働き方改革 kintone×チャットボット連携」で、ビジネスメッセンジャーサービスの「direct」(エルイズビー)の事例を紹介してくれた。

 「direct」のボット機能を使うことによって、kintoneの新しい入力インターフェースを作ろうという試みだ。写真を登録したり、日報を登録したり、GPSで勤怠を記録できるボットなどが考えられるという。ボットは仮想的な人なので、会話形式で必要な情報をkintoneに登録する。

 実際に開発した「作業報告ボット for kintone」を見せてくれた。日付や場所、作業内容などを登録するのだが、「direct」の選択機能を利用して、質問に回答するだけで情報が揃っていくのだ。写真のアップロードもできる。その間文章入力はほとんどなく、はいかいいえを選ぶだけとシンプル。これで、kintoneに登録されていた。

 最後には、「テーブル編集ビュープラグイン」という新しいプラグインを公開した。一覧画面から直接テーブルを編集できる機能で、当日からリリースされた。

ジョイゾーの代表取締役社長、四宮靖隆さん

「direct」のボット機能を使うことによって、kintoneの新しい入力インターフェースを開発した

実際に日報を登録するボットをデモしてくれた

「テーブル編集ビュープラグイン」という新しいプラグインを公開

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