第三者保守サービス市場は堅調も、マイナス要因は「クラウド化」–矢野経

Home » IT・インターネット » 第三者保守サービス市場は堅調も、マイナス要因は「クラウド化」–矢野経
IT・インターネット, ZDNet Japan コメントはまだありません

 矢野経済研究所は、5月31日、第三者保守/EOSL保守サービス市場に関する調査結果を発表した。国内第三者保守サービス市場は、2020年度まで年平均8.7%で成長すると見込まれる。2016年度の同市場の市場規模は、前年度比113.2%の86億円。また、2020年度の同市場規模は、112億6000万円に達すると予測される。


第三者保守サービス市場規模推移と予測

 第三者保守サービスは、サーバ、ストレージ、ルータ・スイッチなどのネットワーク関連機器、PCなどのハードウェアを対象として、製品メーカーではない第三者企業が提供する企業向けのハードウェア保守サービス。EOSL保守サービスは、第三者保守サービスの中でも、対象製品のメーカー保守期間終了(End Of Service Life)後に第三者企業が提供するハードウェア保守サービスを指す。

 同調査は、2016年11月~2017年5月の期間で実施された。調査対象は、第三者保守サービス提供事業者。

 同市場が成長している要因として、同研究所では、煩雑なハードウェア保守対応を一本化して外部に任せたいというニーズが高まっていることを挙げている。日本国内では保守業務はハードウェアメーカーに委託するケースがほとんどだったが、最近では、コスト削減等を目的として、第三者保守サービスを利用するユーザー企業が増加しつつあるという。

 また、総合的にサービスを展開しているITサービス事業者などがコンサルティング、システム開発、運用、保守などの各工程の専門特化を進めていることも成長要因になっている。保守分野においては、第三者保守サービス事業者をビジネスの協業先として委託するケースも出始めているという。

 一方、成長へのマイナス要因として「クラウド化」が挙げられている。オンプレミスからクラウドへの移行が進むと、第三者保守サービスへの需要が減退する可能性がある。しかし同研究所では、オンプレミスのITシステムはまだまだ多いため、第三者保守サービスが普及する余地は、今後も十分に残されているとしている。

 EOSL保守サービスの成長要因としては、コスト削減効果、メーカー保守期間終了後もリプレース時期までハードウェアの利用を延長したいというニーズ、環境問題などが挙げられている。

 まだ安定稼働しているITシステムを、メーカーの保守期間切れになったというだけの理由で入れ替え、無駄なコストをかけたくないというユーザーは東日本大震災以降、増加しているという。さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピック前、2018~2019年のシステム更改予定に向けて、現在のところリプレース時期を延期しているユーザー企業も多く、こうしたこともEOSL保守サービスの成長を後押ししている。また、同研究所では、ユーザー企業は以前ほど新品にこだわらなくなってきており、「まだ使えるハードウェアを捨てるのはもったいない」という風潮が広がりつつあると指摘している。

コメントを残す