ハイブリッドクラウドを加速するEVO SDDCとクラウド間vMotion

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仮想化の最先端を追う!VMworld 2015レポート

Unified Hybrid Cloud Platformで「絵に描いたハイブリッドクラウド」から脱却

2015年09月01日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

8月31日に開催したVMworld 2015ではSDDC(Software-Defined DataCenter)をベースとする新アーキテクチャ「Unified Hybrid Cloud Platform」が発表された。おもにSDDCとネットワーク仮想化を強化することで、ハイブリッドクラウドの現実解を提供する。

アプリケーション分野で高まるハイブリッドクラウドの要請と課題

 Unified Hybrid Cloud Platformは、複数のクラウドをまたぐハイブリッドアプリケーションを前提にしたハイブリッドクラウドアーキテクチャになる。SDDCで構築されたプライベートクラウドをVMware vCloud Airにまで延伸し、統合した管理を実現するもので、同社の掲げるOne Cloud構想をより現実に近づける役割を持つ。

 米ヴイエムウェア クラウドサービス部門のエグゼクティブバイスプレジデント&ゼネラルマネジャーのビル・ファーザーズ氏は、ハイブリッドクラウドに関してはDR(災害対策)やオートスケール、モバイルアプリケーションという3つの用途が想定されると説明する。しかし、これらの用途においては、ネットワークや既存システムとの統合、コンプライアンスなど面で課題があったという。

米ヴイエムウェア クラウドサービス部門 エグゼクティブバイスプレジデント&ゼネラルマネジャー ビル・ファーザーズ氏

 ファーザーズ氏の紹介を受けて登壇した米ヴイエムウェア SDDC部門エグゼクティブバイスプレジデント&ゼネラルマネジャーのラグー・ラグラム氏は、こうしたアプリケーションがたどってきた変遷を説明した。

 当初、1つのサーバーに閉じこめられていたアプリケーションは、仮想化によって物理サーバーのくびきを抜けることになる。その後、仮想化されたアプリケーションはより複雑化し、複数のサーバーに分散して展開され、ストレージとも分離するようになった。これに対してヴイエムウェアではインフラをソフトウェア化するSDDCを導入することで、分散型アプリケーションにベストなインフラを提供してきた。

米ヴイエムウェア SDDC部門エグゼクティブバイスプレジデント&ゼネラルマネジャー ラグー・ラグラム氏

 しかし、次世代のクラウドアプリケーションは複数のクラウドにまたがる“ハイブリッドアプリケーション”へと進化している。「単にプライベートクラウドを構築するだけでも、パブリッククラウドを使うだけでもダメだ。両者を統合し、共通のネットワークと管理レイヤーを持ち、シームレスな拡張を実現する必要がある」とラグラム氏は語る。これを実現するのが、ハイブリッドアプリケーションに最適なインフラを提供するUnified Hybrid Cloud Platformだ。

EVO SDDCでより大きなインフラをシンプルに構築・運用

 ハイブリッドアプリケーションを実現するUnified Hybrid Cloud Platformを実現するため、ヴイエムウェアは「シンプル化(Simplify)」、「エクステンド(Extend)」、「リーチ(Reach)」という3つに分野で投資を進めてきたという。

Unified Hybrid Cloud Platformのための3つの強化分野

 「シンプル化」はこれまで取り組んできたプライベートクラウドのSDDCになる。プライベートクラウドを構築するにあたって、SDDCはインフラのソフトウェア化による簡素化を提供してきた。

 現在、同社がSDDC分野で進めているのは、「EVO」ブランドで提供しているハイパーコンバージドインフラの強化だ。vSphere(コンピュート)、Virtual SAN(ストレージ)、VMware NSX(ネットワーク)、管理(vRealize Suite)などをパッケージ化し、シンプルで迅速なSDDCを実現する。

データセンタースケールのハイパーコンバージドインフラ「EVO SDDC」

 今回はSDDCを構成するNSXやvRealise Operationsなどのツールが刷新されたほか、データセンタークラスのハイパーコンバージドインフラとして「EVO SDDC」が発表された。これは昨年「EVO RACK」として発表されたハイパーコンバージドインフラがリブランディングされたもの。

 EVO SDDCで大きいのは拡張性だ。最小8サーバーからスタートでき、ラックあたり1万のIaaS VM、2万のVDI VM、200万IOPSを実現する。ラック単位を超えることで、物理ラックをまたいだバーチャルラックを構築し、ワークロードに最適なリソースプールを構築する「Workload Domains」を配置できる。

ワークロードに最適なリソースプールを構築する「Workload Domain」

 ラグラム氏の元でエンジリングチームを率いるヤンビン・リー氏は、「IaaSやVDI、ビッグデータなどさまざまなワークロードに対し、VMwareのベストプラクティスをSLAにあわせて最適化できる」と語る。また、NSXによって個々のWorkload Domainsがマイクロセグメンテーション化され、保護の対象となる。

米ヴイエムウェア ストレージ&アベイラビリティ、vCloud Airグループ バイスプレジデント&ジェネラルマネージャー ヤンビン・リー氏

 さらに新たに提供される「SDDC Manager」によって、インフラの継続的なライフサイクル管理が実現する。ファームウェアやパッチなどの適用をWorkload Domains単位で行なえるほか、vMotionなどとあわせて無停止で作業を行なえるという。リー氏は「仮想マシンだけではなく、ToRスイッチなどの物理リソースも管理対象に入った。インストレーションやコンフィグが非常に容易になる。たった2時間でSDDCが構築できる」とアピールする。

(次ページ、クラウド間のvMotionでハイブリッドクラウドが現実的に)

 






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