神戸のデジタルキューブが実践するコミュニティ、ビール、たまに仕事

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WordPress+AWSで疾走する小さいけどすごいクラウド会社

2017年07月11日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

WordPress+AWSに最適化された「AMIMOTO AMI」で知られる神戸のデジタルキューブにお邪魔した。普段はリモートワーク主体の同社のメンバーや地元JAWS-UG神戸のメンバー、さらにはStripeの勉強会で神戸に来た小島英揮さんまで、今回は港近くのデジタルキューブオフィスに集まってもらい、AMIMOTO AMIやShifterといったプロダクトやグローバルに拡がるコミュニティ活動について語ってもらった。

WordPress+AWSでサイト構築からインフラ運営まで幅広くカバー

 デジタルキューブの設立は2006年。創業から10年以上、オープンソースのCMSであるWordPressを使ったWebサイトの企画・制作・コンサルティングを一貫して提供している。CMSによるWebサイトの構築・運営ということで、ジャパンタイムスや小学館のCanCamのようなメディアサイトが多いが、リクルートのエアレジのようなサービスサイト、企業のブログサイトなども手がけている。

 デジタルキューブの強みは、WordPressへの深い理解とプラグインなどの開発能力に加え、AWSを使ったインフラの構築・運用まであわせて行なえるという点だ。デジタルキューブ CEOの小賀浩通さんは、「メディアのハイトラフィックなサイトの運用は、普通のレンタルサーバーやホスティングでは手に負えないことも多く、お客様も困っていた。だったら、インフラの運用までやろうということで5年前くらいにAWSに舵を切った」と語る。今ではサイトのデザインやディレクションより、インフラやセキュリティを含めたサイトの運用をカバーする案件の方が多いという。

デジタルキューブ CEOの小賀浩通さん(撮影:Ando Atsushi)

 マネージドサービスだけでなく、ユーザー自身によるセルフサービスも重視しており、そのために作ったのがWordPress+AWSホスティング環境を簡単に作れる「AMIMOTO AMI」だ。AWSで利用できるAMI(Amazon Machine Image)の形態で提供されるので、ユーザーはAWSアカウントさえあれば、セルフサービスですぐにWordPressを始められる。

 AMIMOTO AMIは単にLAMP環境にWordPressが載ってるだけではなく、同社がいろいろな案件で培ってきたノウハウを元にした設定やチューニングが施されており、高速でセキュアという特徴を持つ。また、デベロッパーフレンドリーも売りの1つ。CLIツールが同梱されていたり、Chefによってコード化されているため、CloudFormationでも利用できるようになっている。「もちろんイチから作ることも可能だけど、みんなそこに労力を使いたいわけじゃない。AMIMOTO AMIとCloudFormationを使えば、AutoScaling環境のような複雑な構成まで自動化できるので、本来自分が注力すべき作業に集中できる」と小賀さんは語る。

 また、OSSのAMIMOTOはGitHubから入手して、自ら手を入れて使うだけでなく、グローバルのAWSのマーケットプレイスからも利用可能だ。「うちは専門家の集まりなので、営業やマーケティング担当だけじゃなくて、経理すらいない(笑)。だから、マーケットプレイスで自分たちのプロダクトを展開できれば、開発者は開発に専念できる」(小賀さん)という発想で、当初からグローバルでのプロダクト販売にチャレンジしてきた。WordPress関係を中心に、さまざまな海外イベントに参加しているが、これも国内市場の小ささを考えれば当たり前のこと。現在、AMIMOTO AMIはグローバルでは29カ国で利用されており、海外でのアクティブユーザーも約5200アカウントにおよぶという。

サーバーレスとWordPressの新しい出会い「Shifter」

 さて、昨年末に提供を開始した「Shifter」もAMIMOTO AMIと同じWordPressのホスティングソリューションだ。動的なサイトで利用されることの多いAMIMOTO AMIに対し、サーバーレスの技術を用いたShifterは静的なサイト運用に向いているという。

Shifterのサイト(https://getshifter.io/)はもちろんWordPress製

 これまでWordPressはメディアのように多くのユーザーがポストし、更新も多いサイトで使われてきた。しかし、最近はWordPressを触れるユーザーも増え、コーポレートサイトやランディングページのような静的なサイトでも導入されるようになってきた。こうしたサイトの場合、立ち上げたものの、更新はほとんどないという使い方になる。

 これに対し、Shifterはサイトを更新するときだけWordPressをホストしたDockerコンテナが立ち上がり、静的ファイルに書き出すことができる。ユーザーはサイトジェネレーターや特別なデプロイツールを使わず、Shifterにログインし、普段のWordPressのGUIで静的なWebページを生成できるわけだ。更新を終えたら、WordPressは停止するので、外部からの攻撃に怯える必要もなくなる。CDNから配信されるため、予測不能のトラフィックにも強く、少ないコストで安心してキャンペーンサイトなどを公開できる。

 「Webサイト作るときは当然費用が発生するのですが、運営事業者じゃなければ、作った後のメンテナンス費用はなかなかもらえない。放置されるか、渋々やるかの二択です。でも、どっちもいやですよね」と小賀さんは指摘する。その点、Shifterを使ってWebサイトを立ち上げれば、担当者は「更新しないのにWordPressをメンテナンスし続けなければならない」という手間から解放される。全体から言えばニッチなニーズだが、確実に困っているWebサイト制作者がいるという領域。WordPressのメンテナンスに困っている案件を持ち込まれるデジタルキューブ自身の経験もあり、こうしたShifterの登場もある意味必然的だったといえる。

 そして、Shifterはテクノロジー的にもコンテナやサーバーレスなどをふんだんに盛り込んだ。「AWSは進化するのでまだまだ遊べるんですけど、WordPressの事業はさすがに10年やっているので、やや飽きが来ているんです(笑)。円熟しているけど、もはやセクシーではない。エンジニアには最新技術を使えるという高揚感がないと、先につながらないのですよ」ということで、後述するAlexaやStripeも含めて、新しいテクノロジーに触れるということは社内的にも意義があるという。









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