サーバの復権を狙うAMD–EPYCプロセッサの性能とコスト

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 AMDがEPYCプロセッサ発表時に公開したベンチマークの資料によれば、整数演算では47%、浮動小数点演算では75%ものパフォーマンスアップを果たしたと説明している。

 比較したプラットフォームは、AMDの2ソケットプロセッサEPYC7601(2.2GHz、32コア/64スレッド×2ソケット)とIntelのXeon E5-2699A V4(動作周波数2.2GHz、ブート時3.6GHz、22コア/44スレッド×2ソケット)だ。EPYCの搭載コア数はXeonより約1.6倍多いため、パフォーマンス的に優れている。プロセッサのコストを見れば、EPYC7601が4200ドル、Xeon E5-2699A V4が4115ドルとなり、ほぼ同じだ。ただ、EPYCは周辺チップなどをプロセッサ内部に搭載しているため、プラットフォームを構成する時のコストは安そうだ。

 Xeon E5-2699A V4の22コアと、EPYCでもコア数が近い24コアのEPYC7451(2.3GHz動作)の場合、EPYC7451は2400ドルと、Xeonより60%ほど安価になっている。なお、XeonとEPYCのコア自体の性能は、大きく変わらないと言われている(AMDはコアにおいてもXeonより優れているとする)。

 プロセッサの消費電力は、Xeon E5-2669A V4では145ワット(熱設計電力=TDP)だが、EPYC7601では180ワット(TDP)となっている。EPYCは、常に180ワットを消費しているわけではなく、負荷によって動的に消費電力をコントロールしている。Xeonでも、動的に消費電力をコントロールしているが、AMDによれば、EPYCはXeonよりもきめ細かくコントロールしており、同じワークロードでもEPYCの方が消費電力は低いとしている。

EPYCは整数演算ではライバルのXeon
EPYCは整数演算ではライバルのXeon E5-2699A V4より47%高速化している

浮動小数点演算でもEPYCはXeon
浮動小数点演算でもEPYCはXeon E5-2699A V4より75%高速化している

 EPYCは、IntelのXeonのライバルとなるサーバ向けプロセッサだ。価格はXeonより安く、メリットは大きい。しかし、ユーザー企業がサーバを導入する上では、単にコストだけではなく、”信頼感”も気にする。非常に抽象的で、厳密な指針があるわけではないが、今までXeon一辺倒だったサーバプロセッサ市場において、撤退に等しい状態だったAMDがEPYCで実質的に再参入を果たしたと言っても、ユーザーは積極的に採用しようとはしないだろう。

 それに、プライベートクラウドなどで仮想化が当たり前の環境になっている状況では、XeonとEPYCのサーバ上で仮想マシンを起動しながら移行するライブマイグレーションなどが適切にサポートされるのかという問題がある。

 仮にライブマイグレーションだけなら問題ないとしても、EPYCプロセッサ上でXeonの独自命令をサポートしたアプリケーションを動かそうとすると問題が出てきそうだ(Xeonでも世代によって命令セットが追加されているため問題点もある)。Xeonなら、新しい世代のプロセッサを使用しているサーバでも、命令セットとしては下位互換を保っているため、それほど大きな問題にはならないだろう。

 AMDは、EPYCで可能な限りXeonの命令セットをサポートしていく方針だが、新しい世代のXeonがサポートしている命令セットを全てサポートしているわけではない(AVXなど)。同社がこのような部分をどう解決していくのかが課題だが、アプリケーション開発時や管理面でカバーすることになるだろう。

 EPYCをサポートしたサーバの提供は、Dell、HPE、Lenovoなど大手サーバベンダーが表明している。これらのベンダーから、どのくらいの価格で製品が提供されるのかが注目される。




EPYC(ブルーの棒グラフ)は、性能と価格を見ればXeon(グレーの棒グラフ)よりも圧倒的にコストパフォーマンスがいい''
EPYC(ブルーの棒グラフ)は、性能と価格を見ればXeon(グレーの棒グラフ)よりも圧倒的にコストパフォーマンスがいい

EPYCの価格。1/2ソケットの7000シリーズはXeonに匹敵する価格だが、1ソケットの7000シリーズは低コスト''
EPYCの価格。1/2ソケットの7000シリーズはXeonに匹敵する価格だが、1ソケットの7000シリーズは低コスト



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