東日本大震災で部品メーカーのシェアが変わった!?

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電子部品の購買担当者必見! 部品調達のノウハウを教えます
第4回

品薄になることを見込んで買い占めたブローカーの暗躍も

2017年07月24日 15時00分更新

文● 石井英男 編集●村山剛史 協力●日昭無線株式会社

この連載は電子部品の大手サプライヤーや特注品の受託開発も行なっている商社/メーカーを取材し、電子部品の調達に役立つノウハウ、逸話、豆知識を紹介していきます。

予期せぬ天変地異が訪れたとき、購買担当者が気を付けるべきことは?

Q:地震・台風・大雨……災害時に購買担当はどうする?
A:ブローカーの買い占めとその後のシェア変動に注意!

 2011年3月11日に発生した東日本大震災により、関東から北陸、東北地方は歴史的な被害を受けました。予期せぬ大災害は、部品流通にもさまざまな影響を与えます。そこで今回は、「東日本大震災のような大災害時に電子部品の流通はどんあ動きを見せるのか? そして購買担当者が取るべき行動は?」についてご紹介します。

 日昭無線株式会社の佐藤俊克氏と石田昌和氏は、2011年3月11日に起きた東日本大震災が、電子部品の流通にどのような影響を与えたかという質問に対して、次のように語ってくれました。

佐藤 とにかく部品が足りず、入手困難になりました。そこで部品を買い占めて高く売るブローカーみたいな業者も出てきましたよ。電源ユニットも品薄になって、定価でもどんどん売れてしまうくらいでした。

 弊社も最初は在庫があったので、ご希望される数に応えられていたのですが、ほどなく弊社の在庫もなくなってしまいました。そこで顧客に納期が遅れることを伝えるのですが、その顧客がネットで探しまわったら、弊社の2倍3倍の価格で売ってる業者を見つけて、そこで買われてしまう、といったケースもありました。ただ、ブローカーが美味しい思いをした時期はあったのでしょうけれど、結果的に部品はだぶつきましたので、痛い思いをしたブローカーもいたとは思います」

 つまり、災害直後の部品が市場から消える間にブローカーが跋扈するものの、後述するように完全に途絶えることはないため、そのうち部品はだぶつくようです。購買担当者としては(スケジュールとの板挟みになる可能性は高いものの)急騰した価格に安易な飛びつくのは考え物と言えそうです。

日昭無線株式会社 企画開発部次長 佐藤俊克氏

生産拠点が災害から免れたメーカーがシェアを奪取
非常事態を救ってくれたことに恩義を感じる顧客は多い

石田 部品メーカーが、その部品を作るための材料の調達ができず出荷できないという状況も発生します。例えば、電解コンデンサーの“材料”を作っている工場が被害を受けたため、電解コンデンサーメーカーが電解コンデンサーを作れず、そしてドミノ倒しのように今度はその電解コンデンサーを部品として使う電源メーカーまでもが電源を出荷できなくなってしまう、ということがありました。

 一方、同じ国内メーカーでも生産拠点が海外にある会社はさほど影響を受けず、災害を機に他社からシェアを奪うことに成功していました。市場から部品が消えてしまうといった状況のときに助けられたお客さんは、その会社に恩義を感じて、供給が安定した後もそのままその会社の部品を使ってしまう、ということになりやすいのです。

 このように、大災害が起きると、部品メーカーのシェアが大きく変わることがあります。佐藤氏によると、これまでこうしたシェアの大変動は2回あり、1回が2008年のリーマンショックで、もう1回が東日本大震災だそうです。

 また、災害によって、部品を製造するために必要な材料の供給が途絶えてしまうと、その部品が使われている電源ユニットのようなモジュール部品が供給できなくなり、さらにはそのモジュール部品を使った製品を製造できないといったように、その影響が順次下流の製品へと波及していってしまいます。こうした部品供給の流れを知っておくことで、万一大災害が起こった際にも、その影響を最小限に抑えることができるでしょう。

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